Moodle入門者向けの情報(Wiki)
Moodleに興味のある方,初めて使おうとしている方向けの情報を皆さんでまとめましょう.
しばらくは理事会メンバーにのみ編集権限を与えます.
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目次
1.1. 基本的な機能
1.2. まずイメージを先に
1.2.1. Wikipedia
1.2.2. moodle.org (Japanese moodleコース)
1.2.3. 株式会社イーラーニング
1.3. 大雑把な概念
1.4. 先生方のメリットは?
1.4.1. 電子ファイルの配布
1.4.2. 電子ファイルの回収
1.4.3. 一斉通知
1.4.4. 小テスト
1.4.5. アンケート
1.5. 学生のメリットは?
2.1. お金はどれくらい掛かるの?
2.2. オープンソースだとセキュリティ上の問題があるのでは?
2.3. 遠隔教育のためのシステムですよね?
Moodle(ムードル)とはなにか [編集]
基本的な機能
MoodleとはLMS(Learning Management System)の一つです。仮想学習環境(VLE: Virtual Learning Environment)とも呼ばれます。eラーニングを支援するWebサービスです。
学習管理システム(LMS)と呼ぶととても堅苦しい教務システムの印象を受けますね。実際には学生が学習を行う上での支援を行う全般的なWebサービスを統合したシステムです。学習用ポータルサイトと考えて頂いても良いでしょう。勿論、課題を提出させてそれを採点したり、小テストを課してその成績を評価したり、提供した課題の閲覧状況をチェックしたりするといった学習状況と成績を評価することにも使えます。Moodleは社会構造主義に基づいて設計されています。学生が自ら学び、他者と協働して議論を通して知識の定着を図るためのコミュニケーションの機能も備わっています。
まずイメージを先に
「Moodleを本校に導入する」と伝えた際に一部の先生から「それはWindowsにインストールするソフトウェアですか?」と聞かれます。MoodleはWebサーバー上にインストールして運用するWeb上のサービスです。
「Amazon,Google,facebook,Office365のようなもの?」とも聞かれます.違います.どこかの会社がMoodleというサービスを提供していて、そこにアクセスする(Blackboardなどはそうですね)というものでもありません。
大学であれば大学内のサーバーにインストールして運用するサービスです。学生や教職員は各人のパーソナルコンピューターやスマートフォンなどに搭載されるWebブラウザ(あるいはスマートフォン用Moodle専用アプリ)を通してアクセスします。学生はMoodleを利用するために特別な技術を学ぶ必要はありません。いくつかのサイトの記事を読んで下さい。
一つのハードルはこの「Webサーバーを用意しなくてはいけないこと」でしょう。あなたの個人や学校に予算があるのであれば、Moodleパートナー企業などが提供するMoodleホスティングサービスを利用するのが安全かつ安心です。サーバーのメンテナンスやMoodleのバージョンアップ、データのバックアップ、さらに教員の教育を有償で行ってくれます。
予算がない、しかしMoodleがどのようなものか試しに使ってみたいという方は、MoodleCloudなどの料のMoodleを利用すると良いでしょう(機能制限があります)。
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AB
歴史的な背景などがご理解いただけるでしょう。
moodle.org (Japanese moodleコース)
https://moodle.org/
本家です。Moodleを開発・公開しているサイトです。このサイト自体がMoodleで構築されています。ここに全世界のMoodlerが集います。
https://moodle.org/course/view.php?id=14
moodle.orgでユーザーアカウントを作成すると入室できるコースの一つです。ここはJapanese
Moodleというコースで、日本語話者がMoodleについて情報交換を行う場です。初歩的な質問から専門的な議論まで幅広く情報交換が行われています。
株式会社イーラーニング
http://www.e-learning.co.jp/?page_id=2090
公式なMoodleパートナー企業の一つ(日本国内に三社)のイーラーニング社が提供している「Moodleとは」のコンテンツです。
大雑把な概念
Moodleに登録する利用者のアカウントは大きく「学生」と「教師」に分けられます。
Moodle上には「コース」を作成します。このコースは授業科目、研究室、委員会など、許可されたメンバーのみが”入室”できる場所です。
この「コース」内に授業コンテンツや電子掲示板、Wikiなど、Moodleが提供する様々なサービスを教師は自由に配置できます。
先生方のメリットは?
電子ファイルの配布
学習支援のための様々な資料(授業に用いるスライドや配布資料)の大半は電子ファイルでしょう。それらをMoodle上にアップロードしておけば毎年印刷・配布する手間が省けます。学生に事前の学習を課す反転授業などにも応用できます。
電子ファイルの回収
プログラミングの課題や実験レポートなどの回収はどうしていますか? 電子メールで提出させてメールボックスに大量のメールが溢れたり、紙媒体で提出させて未提出者をチェックして催促したりしていませんか。「課題」機能を用いればMoodle上で学生はレポートを提出しますのでメールボックスが溢れる心配はありません。誰が未提出かも一目で分かりますので、「メッセージ」機能などで提出を催促することができます。Moodle上で課題の評価も可能ですし、各評価にコメントを付けて学生に伝えることも可能です。これらが場所や時間に縛られることなく可能です。
一斉通知
授業を受講している学生に対して一斉通知(授業時間の変更や定期試験の注意事項など)を行いたい場合は「ニュースフォーラム」機能を用いることで受講者に対して一斉にメッセージを送信できます。電子掲示板ですので、送信したメッセージ(電子メール)を見落とした学生もコースにアクセスすれば再チェック可能です。
小テスト
定期テストの前に自学自習して貰うための小テスト機能があります。〇×問題や多肢選択問題など,さまざまなタイプの問題形式が用意されています。合格点に達するまで学生に繰り返し小テストの受験を強制することもできます。当然、問題はランダムに問題バンクの中から出題可能です。とはいえ問題を作成するのは先生です。頑張って下さい。
アンケート
学生に対して無記名/記名のアンケートを取ることも可能です。これはfeedbackというプラグインを用います。
学生のメリットは?
受講している授業に関するさまざまな情報を一か所で得ることができます。授業を担当する先生のWebページに辿り着かなくては情報が得られない訳ではありません。共通のポータルサイトであるMoodle内を辿っていけば、受講している授業のコースが発見できるでしょう(コースを授業担当教員が作成しているならば)。学生はそのコース内にアップロードされている授業資料をいつでもダウンロードできます。フォーラム(電子掲示板)が用意されているならば、そこで教師や学生と意見交換、情報交換もできるでしょう。課題の提出も学内に設置されたボックス等に提出するのではなく、自宅からでもWebブラウザーを用いて自由な時間に提出可能です。先生方が授業に関連のある分かりやすいWebページを紹介してくれているかも知れません。
よくある質問 [編集]
お金はどれくらい掛かるの?
Moodle自体はオープンソースかつフリーなソフトウェアですので、ソフトウェアに関しては使用料や契約は存在しません。moodle.orgから誰でも自由に全ソースリストをダウンロードできます。
お金が発生するのはそのサーバー資産(モノ)と管理(ヒト)です。先生が自分で立てたWebサーバーにMoodleを導入してサービスを提供する場合は一切、お金が発生しませんが、これはいずれ限界を迎えます。きちんと予算を取ってWebサーバーを学校で導入し、正規業務の一つとして情報処理センター等の職員の業務に組み込むべきでしょう。Webサーバーの更新費用も予算計画に組み込むべきです。
あるいはMoodleサーバーの学内への設置やその管理を外部業者に委託する大学も少なくありません。この場合も「導入して終わり」ではなく、その後の運用もきちんと計画に入れましょう。
オープンソースだとセキュリティ上の問題があるのでは?
多くの学校や企業で利用しているサーバーOSであるLinux、WebサーバーであるApacheなどもオープンソースです。全ソースリストが公開されていることは、確かにバグを見つけ出して攻撃を仕掛けやすいでしょう。鍵はその「利用者数」です。Moodleは全世界で広く、沢山の大学等で用いられています。バグや脆弱性を事前に発見、あるいは攻撃を受けた報告がmoodle.orgに伝えられると速やかに対応策(プログラムの修正)が行われます。
ソースリストが公開されていなくても、攻撃者は攻撃を試みます。典型的ないくつかのパターンを網羅的に試してきます。ソースリストが公開されていない場合、その攻撃を検知して報告しても提供元がプログラム修正を行い対策を施すまでサービスを停止せざるを得ません。ソースリストが公開されていれば緊急的な対策を各サーバー管理者側で施してサービスを継続できます。
遠隔教育のためのシステムですよね?
半分正しく、半分間違いです。確かに遠隔教育(学校に登校しないでも勉強できる)にも用いることができますが、通常の対面教育を補うものでもあります。純粋に遠隔教育のためだけに用いるにはたくさんの授業資料、課題、小テストを先生が用意する必要があります。ただし,MoodleはTV会議システム(例,BigBlueButton)との相性が良いシステムです。コース内で遠隔授業の時間を決めておき、全員で教師とインターネット経由でTV会議システムを用いて授業を行うことも可能です。最低限、生徒が必要なものはPCとスピーカー(ヘッドフォン)だけです。もし生徒も発言する必要があるのであればマイクも必要です。Webカメラが搭載されていれば特別なソフトウェアをインストールする必要もありません。
(ただしBigBlueButtonなどが利用可能なように、あなたが用いるMoodleサーバーが設定されている必要はあります)