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発表の題名: H5Pインタラクティブ・ビデオの視聴状況に関する学習分析
発表の種類: Presentation (20 mins) プレゼンテーション(20分)
発表の言語: Japanese 日本語
発表のキーワード: H5P, 動画教材, ラーニング・アナリティクス, ログ評価
COVID-19の感染拡大以降,教育場面でも多くの動画が活用されており,それらの視聴状況を分析することの重要性が高まっている。H5Pインタラクティブ・ビデオによる動画教材をMoodle内で使用すれば,追加プラグインなしで,各視聴者の視聴状況が受験レポートとして自動集計される。ただし,視聴状況が記録されるのは動画内に埋め込まれたクイズ等のインタラクションが完了した場合に限られる。また,現時点では受験レポートを一括ダウンロードする機能等は用意されていない。
そこで本研究では,curlを用いてH5Pの受験レポートを機械的に一括取得し,動画教材以外の学習状況や試験等の成績をあわせて分析した。受験レポートに現れないデータはMoodleの標準ログにより補完した。
結果として,動画教材の学習時間そのものは成績と相関しないものの,動画教材に計画的に取り組む学生ほど好成績であることが定量的に示された。また,受験レポートに記録されない視聴回数は,記録された視聴回数の2.5倍程度であり,学生は動画内のクイズを完了する以外にも複数回にわたり動画にアクセスしていることが明らかとなった。
- Peer review details査読詳細
Peer Review 1
クライテリア | 評価 |
---|
内容の明瞭さ | 9 / 10 |
発表の長さ: | 10 / 10 |
独創性と革新性: | 10 / 10 |
公募内容との関連性: | 10 / 10 |
体裁や内容の質: | 9 / 10 |
総合評価: | 50 / 50 |
| 98 / 100 |
フィードバック H5Pによる動画教材の視聴分析を客観的に行い、具体的な評価につなげており、有用な研究と考える。
Peer Review 2
クライテリア | 評価 |
---|
内容の明瞭さ | 10 / 10 |
発表の長さ: | 8 / 10 |
独創性と革新性: | 9 / 10 |
公募内容との関連性: | 9 / 10 |
体裁や内容の質: | 9 / 10 |
総合評価: | 40 / 50 |
| 85 / 100 |
フィードバック H5Pの利用はMoodleの標準機能となったことで増加していると考えられますが、その中で「受講履歴を分析する」ことにフォーカスして実践された内容と思われます。curlを利用しての解析ということで、MySQL等のデータベースに記録されないログも含めて解析できる点でよりログ解析が厳密に実施可能なものと考えられます。20分の発表時間ですので、技術的な部分(どのようにログを抽出したか)と解析の結果(標準のレポート機能と比較してどれだけのデータが得られたか)と、両方をお話されるよりは片方に注力いただく方が良いかもしれません。
Peer Review 3
クライテリア | 評価 |
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内容の明瞭さ | 9 / 10 |
発表の長さ: | 8 / 10 |
独創性と革新性: | 7 / 10 |
公募内容との関連性: | 9 / 10 |
体裁や内容の質: | 9 / 10 |
総合評価: | 40 / 50 |
| 82 / 100 |
フィードバック H5Pインタラクティブ・ビデオ視聴の視聴状況を標準ログなどを用いて修正する技術的な方法と,それを実際に適用して解析した事例からなる.聴衆にとって解析事例も興味深い内容ではあるが,本発表の中心的な話題は前者の動画再生履歴の取得方法であると思われます.”動画教材に計画的に取り組む学生ほど好成績”に関しては,相関は高いが因果関係は視聴時間・回数→成績向上ではない可能性が高い.発表においては他の教育機関でも同じくH5Pインタラクティブ・ビデオ教材の視聴履歴を集計できるように,技術的な説明を重点的に行って頂けると好ましい.もちろん,視聴時間・回数を上げる工夫,その工夫によって成績向上が観測されたなどのお話があるのであれば,そちらも聴講したいと思います.