Masumi KAMEDA
Innovation Name:プラグインの名前:
moodle-gradereport_sptable
Innovation Description:目的・機能の説明:

【開発者】
 亀田真澄 元 山陽小野田市立山口東京理科大学
 宇田川暢 名古屋大学

【解説】
 「moodle-gradereport_sptable」は、Moodle の「小テスト(Quiz)」コンテンツから得られた採点結果に対するデータ分析を生成させるプラグインである。
 対象とする小テストは 2値となる採点結果に対して有効である。例えば、「多肢選択問題」「〇/×問題」「記述問題」「数値問題」「穴埋め問題」などの問題タイプで生成される 2値結果に対して分析される。
 生成されるデータ分析結果は、「S-P 表(Student-Problem Table)」(文献[1])と呼ばれている。小テストで得られたデータ値表(採点結果)を生成手順によって並び替えることにより「S(Student)曲線」「P(Problem)曲線」などの分析結果が含まれたエクセルファイルが生成される。このエクセルファイルは、「S-P 表(S-P Table)」「学習者散布図(Scatter_Student)」「設問散布図(Scatter_Problem)」「分析結果(Analytics)」シートで構成される。例えば「S-P Table」シートには「S-P 表」が生成されている。この「S-P 表」には、「S 曲線」「P曲線」などが含まれている。
 このエクセルによる分析から次のような分析結果を読み取ることができる(文献[2])。

(1) 「S 曲線」(S-P Table の青色曲線)は、学習者の達成度(正解率)およびその分布(2) 「P 曲線」(S-P Table の赤色曲線)は、設問の難易度(正答率)およびその分布
(3) 「学習者の正解率(Accuracy)」および「学習者の注意係数(C.S.)」からは、学習者に付帯する特性など
(4) 「設問の正答率(Accuracy)」および「設問の注意係数(C.P.)」からは、出題された設問に付帯する難易度の特性など
(5) 「学習者に関する散布図(Scatter Chart by Student)」は、受験者に付帯する学習特性および学習者の属性分類
(6) 「設問に関する散布図(Scatter Chart by Problem)」は、出題された設問に付帯する問題特性および設問の属性分類
(7) 「差異係数(Deferece Coefficient)」は、小テストの出題タイプにおけるS曲線とP曲線の乖離の状態を表す指標

 なお、このプラグインのベースは、本学会(MAJ)の「開発と研究の助成金申請(2019年)」プロジェクトに対して、筆者らは研究題目『S-P表プラグイン開発と実践』を応募し、採択され開発されたプラグインである。また、MoodleMoot2020 に研究成果(「S-P曲線」を生成するプラグイン)として紹介発表している。その後もプラグインの開発改善を行い、学習者に関する「注意係数」×「正解率」に対する散布図(平面)、同様に設問に関する散布図などを自動生成することができるようになったのでこの最新のプラグインを紹介している。

【操作方法 (for Moodle Ver.4.1)】
1. 分析したい小テスト(Quiz)が含まれているコースを選択する
2. コースページの上部にあるメニュータブから「評定(Grades)」タブを選択する
3. 評定ページの上部にある「評定者レポート」からドロップダウンメニューから「S-P表分析(Student-Problem Score Table Analysis)」を選択する
4. 実施された小テスト(要2値スコア)のなかから分析したい小テストを選択する
5. その後、分析結果が含まれたエクセルファイルをダウンロードを促される
6. 分析可能であれば、ダウンロードされたエクセルファイルには複数の分析結果がそれぞれのシートに出力されている

【参考文献】
[1] 「S-P表の入門」: 佐藤隆博、教育実践文庫③、明治図書
[2] 「学校/学級別解答状況整理表(S-P表)の活用方法について:文部科学省」: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/1409618.htm (確認日: 2024/02/08)


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