基調講演・特別講演者
セクションアウトライン
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ドゥーギアマス・マーティン氏(オンライン出演)
Moodle創始者
題名:フィードバック
フィードバックは教育における普遍的な要件の一つです.この講演ではフィードバックがどう働くか,そして教育プログラムのデザインにフィードバックがどの様に活用出来るかをお話しします.
梶田将司 先生
京都大学情報環境機構IT企画室 教授
題名:LMSの歴史と発展:コモディティ化した LMS が拓く新たな教育学習支援環境の現状と課題
学習管理システム (Learning Management System, LMS) は,教える立場ではコース管理システム (Course Management System, CMS) とも呼ばれ,北米の大学を中心に1998年頃から急速に普及した.我が国においても10年程度遅れてはいるものの,普及期に入っており,ノートPCやタブレット・スマートホンの普及が BYOD (Bring Your Own Device) 施策を通じて,MOOC や反転授業など,端末室に限定されない LMS/CMS の利用場面が増え始めている.この結果,サイバーな学習環境とフィジカルな学習環境のこれまでにない連携が重要になりつつある.本講演では,新たな教育学習支援環境の現状を,すでに明確になりつつあるラーニングアナリティクスやアクティブラーニングの流れとともに整理しながら述べるとともに,今後の方向性について議論する.
グランシー・マリナ女史
ムードルHQ 開発プロセス管理者
題名:ムードルの開発にとって『オープンソース』と『コミュニティー主導』とはどんな意味を持つか
皆さんがムードルを使い始めてその可能性を探し始めた時,このソフトウェアの最新版を作るためにどれだけの人が関わったか想像も出来ないでしょう.世界中で何千人もの人たちが参加し,その開発だけでなく,改良点の示唆,サポートの申し出,検証,翻訳,マニュアル作成などに尽力してくれています.本発表では,ムードルユーザーがどのような形で上記活動に参加し,またムードル本部がどの様にそれを組織・調整しているのかをお話しします.オープンソースであることはプログラムの貢献を易しいものとしています.プログラム開発に参加することを全ての人に許す事により,ムードルは,一つのチームだけが開発するパッケージ型のソフトウェアに比べ,より広範囲なユーザーの必要を満たすことができ,より多くの特色を持つことができるのです.しかしながら,このプログラムの多様性は欠点も持ち合わせており,それについてもお話しします.オープンソースとセキュリティーの兼ね合いの問題をムードルがどう対処しているのかについてお話します.